無題
別れのさっぱり感が好きだ。
じゃあな、とさっぱりと別れてまた一人になって一歩を踏み出す感じが好きだ。
初めて会った人と短時間を過ごして話をして気持ちよくなるのは簡単だ。
長い時間をすごすといらいらすることもある。
もう会えない人とはどうすればいいのだ。
ただ与えられる時どうすればいいのだ。
何も求めようとせず与えられた時どうすればいいのだ。
感謝しても感謝しきれないという時どうすればいいのだ。
たぶんそのどうしようもない思いを胸に抱えながら精一杯生きるしかない。
手に土が染み込んだ。
しかしそんなことを言ったところで本当に精一杯生きているのか。彼がその質問を投げ続けてくる。
これまで出会った人の物語で自分の物語が構成されている。物語を紡いでいけるなんて。なんてことよ。
結局生き物なのだ。青空が嬉しいのだ。